~子どもの小さな体に威力を発揮 単孔式で傷跡も目立たず~
藤田医科大学病院小児外科(井上 幹大 教授)は2024年12月、先天性胆道拡張症 (膵・胆管合流異常)の7歳児童に、米国インテュイティブサージカル社の最新手術支援ロボット「ダビンチSP」を用いた外科手術を施行しました。本手術は、拡張した胆管と胆のうを切除して、膵液と胆汁が別々のルートで腸管へ流れるようつなぎ直すものです。経過は非常に良好で、児童は術後7日目に退院し、現在は元気に学校生活を送っています。
小児外科の領域では、ダビンチXiを使用した先天性胆道拡張症(膵・胆管合流異常)の手術は少ない施設で行われていますが、ダビンチSPを使用した手術は世界初となります。手術を執刀した先端ロボット・内視鏡手術学の宇山一朗教授は、「小児は大人に比べて腹腔が狭く、腹壁も薄い。狭いスペースでも精緻な操作が可能なダビンチSPによるロボット支援手術は、小児に適しているといえるだろう」と手応えを話しています。
・小児の狭い腹腔内でも精緻な手術が可能
・1~2カ所の切開で済むため、痛みが少なく、傷跡も目立ちにくい
圧倒的シェアを有するダビンチXiが4本のアームで構成される多孔式(マルチポート)なのに対し、今回使用したダビンチSPは、アームが1本の単孔式(シングルポート)であることが特徴です。それぞれに強みがありますが、ダビンチSPはアームが1本のため、小児の狭い腹腔内でもアーム同士が干渉し合うことなく、円滑な操作が可能です。また、切開創が1~2カ所のため、傷跡が目立ちにくく、術後の回復も早いというメリットがあります。
今回の手術では、ロボットの鉗子やカメラを挿入するための穴として、へそを縦に3㎝ほど切開。加えてその右側に助手用の鉗子を挿入する約5mmの切れ込みを入れました。小さな切開創が2カ所だけのため、傷跡は成長とともにほとんど目立たなくなります。
国内では、小児の外科手術は開腹または腹腔鏡のいずれかで施行することがほとんどであり、ロボット支援手術を実施している病院は、当院を含めて数えるほどしかありません。その理由として、体が小さいため、大人の手術よりもさらに高度な技術が必要保険収載されている疾患が、先天性胆道拡張症と水腎症(腎盂尿管移行部狭窄)などごく一部に限られているロボット支援手術が実施できる施設基準を満たす必要があることなどが挙げられます。
当院は2008年、全国に先駆けてダビンチを導入して以降、その施行件数は7,000例超と国内トップレベルの実績を誇ります。今回のダビンチSPを用いた外科手術においても、児童の主治医である小児外科の井上幹大教授と、執刀した先端ロボット・内視鏡手術学の宇山一朗教授が、何度もシミュレーションを重ね、安全性を確立した上で施行しました。両教授は、「ロボット支援手術の利点を小児にも還元していきたい」と、今後もより安全で体への負担が少ない術式の開発に取り組むと述べています。
=詳しくは以下をご覧ください= ※外部リンク
●手術支援ロボットの最新機種 ダビンチSPによる世界初の「小児」外科手術を施行|藤田医科大学プレスリリース
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